なぜ音楽業界はヤバいといわれるのか 権利編その3

どうも、やまりょうです。

音楽の権利に関する話を扱ってきましたが、とりあえず今回で一区切りとしたいと思います。

前回のあらすじ

  • 音源のクラウド化により、いままでの著作権の考え方が通用しなくなってきている。
  • 今までの複製権とは別に、アクセスに関する権利も新しく規定する必要がある。

 

今回は、法律に基づき実際に著作権の管理をしている団体について言及します。

著作権管理団体

著作権管理の仕組み

まずは著作権がどのような仕組みで管理されているのかを俯瞰してみましょう。

簡単に図示してみました。

図の左側から順に説明していきましょうか。

著作者は曲を作った作詞家、作曲家のことです。

著作者は音楽出版社と契約して著作権を譲渡し、広告活動などを代わりに行ってもらいます

ちなみに大手レコード会社の場合、基本音楽出版社もグループの一部として持っています。

 

そして著作権者となった音楽出版社ですが、広告活動に加え著作権の管理までを行うのはとても大変です。

そこで著作権管理団体に著作権の管理を委託します。

 

こうして信託を受けた著作権管理団体は、法律に基づきレコード会社や放送会社、カラオケ業者などから著作権の使用料を徴収します。

そして徴収した使用料のうち著作権管理団体が手数料をもらいます。

残った使用料を音楽出版社と作詞家・作曲家で分け合うというのが業界の一般的な仕組みと言えるでしょう。

著作権管理の現状、課題

著作権使用料がどのように徴収、分配されているかの大まかな流れはつかんでいただけたかと思います。

では著作権管理の現状について見ていきましょう。

 

著作権管理団体として一番有名なのがJASRACです。

音楽に関心のある方であれば名前を耳にしたことがあると思います。

そしてあまり良いイメージを持たれていないのが現状です。

その理由は時代にそぐわない徴収の仕組みに起因するものと思われます。

 

JASRACは、その前身である組織から考えると、80年近い歴史を持つ団体です。2001年に著作権等管理事業法が施行されるまではJASRAC以外の著作権管理団体は存在しませんでした。

こうしたことから、音楽業界の中でもかなり大きな存在であることが分かります。

しかしその長い歴史ゆえに、保守的な姿勢が多くみられます。

例えば、昔はインターネットが普及していなかったため、著作権管理も地道な徴収が必要でしたし、分配の公平性も保つのが難しかったと思います。

ですがインターネットの発展により、事業活動の透明性が求められてきました。

そんな中で旧来のやり方で、使用楽曲を明らかにせずに使用者から著作権使用料を取ろうとするやり方に反感を抱く人が増えました。

 

手数料に関しても問題があります。

著作権分配額の計算例(JASRACのHPより引用)

これは著作権使用料の分配額の例です、問題は管理手数料

演奏会等での利用という記述がありますが、これはコンサートとカラオケをまとめています。

カラオケとコンサートが同じ区分にあることは疑問ですよね。

しかもその場合、25%もの手数料がJASRACに入ります。

昔であればいちいちカラオケスナックなどに徴収をして回る手間があったでしょうが、今はもっと集約的に徴収を行うことが可能ではないでしょうか。

4分の1もの手数料を取られるのは権利者としても納得がいかない部分があると思います。

 

ですがJASRACも改革に着手せざるを得ない状況になっています。

その理由は新しい著作権の管理団体が登場したことにあります。

先ほども少し述べましたが、著作権等管理事業法が2001年に施行されたことにより新しい著作権の管理団体が登場しました。

JRCとイーライセンスという2社がその中心でしたが、最近合併し株式会社NexToneとなりました。

この新たな管理団体は、「透明性のある分配」などを掲げる新しい時代の著作権管理事業に着手します。

それにより、JASRACも他者との競争にさらされることになり改革を余儀なくされたという流れです。

 

実際に透明性に対する取り組みを始めたようで、webサイトを通じて権利者に対し、どの番組でどの曲が使用されたかといったような明細を開示するなどの取り組みを行っているとしています。

とはいえまだまだ改革は道半ばといえるでしょう。

NexToneとJASRAC、勝つのはどっちか。

著作権管理事業者全体としては、今後どのようにして一般消費者の抱く悪いイメージを払拭していくかが注目されます。

まとめ

全3回にわたり、音楽の権利に関する現状を見ていきました。

これらはかなりザックリとした見方であり、他にもたくさんの問題点があることと思います。

いずれにせよ、日本の音楽に関する複雑化した法律制度が表現者の自由を奪っていることは事実です。

テクノロジーと音楽は非常に密接な関係にあると私は考えます。

それらの相乗効果を生み出せるような新しい法制度の整備が求められると思います。

 

最後まで読んで頂いた方はありがとうございます

何かのお役に立てたなら嬉しく思います。

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