AIを学習、導入したい人必見。人工知能教育で注目を集める企業の社長に、業界の現状とこれからについて聞いてきた

どうも、やまりょうです。
最近よく耳にするようになった「人工知能(AI)」というワード。

「囲碁で人間に勝った!AIすごい!」「しかしAIは人間の仕事を奪うのでは…」など、人工知能に関する様々なニュースを見かけます。
どうやらものすごい技術らしい…!

でも、実際人工知能ってどんな技術なんだろうか。よく分からない、っていうのが正直なところ。
そこで、今回は人工知能に関する教育やコンサルティングを行っているスタートアップ企業「キカガク」さんの社長にお話を聞いてみました!

キカガクさんが開催するセミナーには、なんとMicrosoftさんやPreferred Networksさんなども協力しています。
このように人工知能教育において国内で注目を集めるキカガクさん。今回その社長である吉﨑さんに、人工知能(AI)に関して全くの素人のぼくが色々聞いてきました。

サクッと読みたい方向けの目次

今回取材したお相手

吉﨑 亮介 (よしざき りょうすけ)

1991年生まれ。京都出身。

舞鶴工業高等専門学校本科・専攻科にて画像処理(AR)、ロボット工学、制御工学の研究に従事。

京都大学大学院にて機械学習による製造業のプロセス改善に従事。修士2回生で化学工学界で世界最高峰の国際学会ADCHEMにて最優秀若手研究賞を受賞。
大学院時代は研究だけでなく、音声解析ベンチャーでの長期インターンや、複数のハッカソンにも参加し、最優秀賞を獲得。
大学院卒業後、株式会社SHIFTに入社し、新卒1年目から日本最大規模のゲーム開発者カンファレンスCEDEC2016の招待講演を単独で登壇。

株式会社Caratを共同創業した後、株式会社キカガクを設立

引用:代表紹介 | 株式会社キカガク

 

人工知能(AI)とは?

そもそも人工知能とは一体どういったものなんでしょうか。
今回取材させていただいた吉崎さんのコラムから引用させていただきます。

人間のように学習や推論を行わせる概念を指します。

「人工知能」と言えば、最近でこそ、収集したデータに基づいて学習させるデータ駆動型のイメージが強いですが、本来の意味はそれだけではありません。例えば、人間が学習・習得した知識・ノウハウをプログラミングすることにより形式化・再現可能にして、それをコンピューターで動かすことも「一種の人工知能」と言えます。もちろん、この後で紹介する機械学習のように、集めたデータに基づいて(データ駆動型で)コンピューター自身が学習も行って、学習した結果に基づいて推論を行う場合も「人工知能」と言えます。

このように、人工知能という言葉が指す範囲は非常に広いわけです。ですから、「AIで何かしよう!」といったプロジェクトではなく、「機械学習により電力量の需要を予測することで運用のオペレーションを改善し、1%のコスト削減を目指そう」といった具体的な目標設定が必要となります。

引用:人工知能・機械学習・ディープラーニングとは? 基礎概念まとめ – Build Insider

人間のように学習や推論を行わせる…なるほど。
個人的に初耳だったのが、人間が学習した知識やノウハウをプログラムとしてコンピューター上で作業させるのも人工知能の1つだということ。
つまり、学習に関して必ずしも機械が行うわけではないということなんですね。ぼくはここを勘違いしてました。

「人工知能」というワードを聞いて、ぼくを含め多くの人が連想するのが、データを集めて、それをもとに機械に学習させる「機械学習」ではないでしょうか。
ですがあくまでも機械学習は人工知能の一分野に過ぎないんですね。人工知能とひとことで言っても、その範囲は非常に広いということか。

 

株式会社キカガクについて

人工知能に関する教育から導入まで、段階に沿って支援する

ーーー本日はよろしくお願い致します!現在の活動について簡単にご紹介いただけますでしょうか?

 

吉﨑「よろしくお願いします。現在は人工知能に関しての教育をメインでやっています。
なんですが、一番のモチベーションは、人工知能とか、機械学習と言われる技術を社会に導入するっていうところですね。

教育をしたうえで、学んだことをどう使っていくかっていう課題設定の部分のコンサルティングをしたり。
あとは、学習モデル構築って呼んでるんですけど。この業界ってデータを解析する業界なので、その部分を支援したり。

さらに言うと、データ解析って論文とか報告書なんですよね。
『こういう結果が出ました』っていうのが報告書には落とし込めても、アプリケーションに組み込むには別のプロセス、エンジニアリングが必要で。
そうしたWEBシステムへ組み込むところまでを支援する。これで初めて導入ですよね、っていうのを理念に掲げてます。

とは言っても、今はまだ『AIってそもそも何なの?』っていうフェーズだったりするので。現在は一番教育に注力しています。基礎なくして応用なしなので。

今の人工知能教育において、プロ野球のコーチはいても、小学生向けのコーチはいない

ーーーこうした業界の人って色んなところから引っ張りだこだと思うんですが、その中でこうした教育の分野を選択する人は少ないですよね

 

吉﨑「今完全にこの業界の人たちはプレイヤーなので。Googleとかそういったところでデータ解析をしていて。お給料も高いのでそっちに行ってしまうんですけど。
そうなると、そもそも大学で専攻していないとデータサイエンティストとしての職に就けないんですよね。学ぶ場がないので。

かといって、後付けでプログラミングとかを勉強してっていう人もいるんですけど。実際のところプログラミングを学ぶだけではデータ解析に入ることはできなくて。
変な話なんですけど、データ解析なのに、経験と勘が結構あるんですよ。データの特性を見てどういうアプローチを取るかとか。

そこの経験と勘って実務をしながらでしか身につかないところがかなりあったりして。
あと、AIとかデータ解析ってひとことで言われてしまうんですけど、その中でも分野が色々あって、使う技術が違っていたりするので、教科書で勉強したものとギャップがあったりするんですよね。

なので、大学以外でもビジネスマンに教えてあげる場所が無いと、大学で専攻した人以外は仕事に就けないよと。
なんですが、結局のところ大学で専攻して、大学に残って研究するような人たちは賢そうな、難しそうな話をして。それって一般人ウケはしないじゃないですか。
なのでそこはアカデミックな機関として完全に切り離して考えるべきだなと思っていて。

そうしたうえでじゃあ教えてくれる人って言うと、Googleとかに入って教えてもらうとかは出来ると思います。
ですが、そこって言ってみれば、プロ野球選手のコーチとか監督みたいな人はいるんですけど、小学生向けのコーチみたいな人はいないっていう現状なんですよね。
なのでうちは小学生向け、つまり初心者にとっての教育から始めようというところでやっていますね。

 

実はAIの技術はフォーカスされていない。AIという言葉がマーケティングのバズワードとして用いられている現状

ーーー初心者向けの教育、確かに重要ですね!そもそも、なぜ人工知能がここまで注目されているのでしょうか?

吉﨑「社会に一般にウケてるのは、メディアがやっぱり影響してるかなと思ってて。
技術自体というよりも、応用事例が面白いんですよね。

最近だと1番フォーカスが当たったのは『囲碁でAIが人間に勝った』とかそこら辺な気がするんですけど。
あんまりみんな技術には興味がないのかなと思っていて。

なので答えとしては”メディアが盛り上げた”ってわけなんですよね。
『AIすごい!』って流れが来ていて。

もう1つ、AIという言葉を付けておけば、モノが売れるという時代になっていて。
AIが本当に流行っているというよりも、AIを商品の看板につけておくみたいな。
そういうマーケティングにおけるバズワードとして用いられている部分が大きいんですよね。ITという言葉の代替みたいな。

ですから実はAIの技術自体にはあまりフォーカスが当たっていないというのが現状ですね。」

 

AIはかなりの初期投資が必要。投資にかけるモチベーションが他国との差になっている

ーーーなるほど、確かに技術自体にはまだまだフォーカスされていないですね…そうした人工知能の技術において進んでいる国などはありますか?

吉﨑ビジネス的に言うとやっぱりイスラエルですかね。
あそこはAI系の本格的なスタートアップが多いですね。
イスラエルのスタートアップをGoogleとかの企業が買収するって例もたくさん出ていて。

イスラエルって軍事産業が盛り上がっているのが大きくて。
AIって結構な初期投資が必要なんですよ。

これが日本だったらこの投資にかけるモチベーションは高くない。『何に使うの?』みたいな。
イスラエルの場合は戦争を多く経験しているので、軍事産業にお金をかけている。

人の数が限られている中で、人の目や耳の代わりとなるものがあるだけで、例えば『もうすぐミサイルが落ちてくるのを防げる。』とか、『銃殺されそうなところを回避できる。』といった可能性が広がる。
こういうモチベーションってかなり強いじゃないですか。
そうした部分で動いてるイスラエルは技術の精度も高いんですね。」

 

 

AIは、「無い方が嬉しい作業」に対してインパクトのある技術

ーーーイスラエルみたいな国と日本では、AIの技術開発に対するモチベーションに大きな差があるんですね…国内では言葉だけが独り歩きしている気もしますが、実際はどういった部分に使われる技術なんでしょうか。

吉﨑「なんか最近、『AIのプロダクト』って言い方をされるんですけど、AIってそんなに表に出すような技術ではなくて、業務改善のシステムだったりするんですよね。

とはいえ最近は画像に対してのアプローチが上手くいくようになっていて
例えば『PaintsChainer』というものがあるんですけど。

線画を自動的に着色してくれるサービスがあるんですね。

こういう風に『そもそも色ってどうやって塗ってたんだっけ?』みたいなところって、プログラムで書くのって無理なんですよ。
でも最近はAIが出てきたことによって変わってきて。

これって何をやってるかって言うと、入力Xというものに対して出力Yというものを計算してあげる、ただそれだけの話なんですね。
それをいかにして学習させてあげるか。それが出来たあとにこうやって実装できるようになってくるんですけど。
やっぱり何に使うかっていうのが非常に大事で。これって漫画家さんの作業をすごく楽にしてくれると思うんですよね。

他にも昔の白黒映像に着色したりとか。
今は人間が全部手作業で色を付けなおすってことをしていて。
1分間でだいたい1400枚分ぐらいの画像があるんですよ。

だいたい90分の特集番組だと、膨大な作業なわけで。
これにAIの技術を応用すると、全部オートメーションは無理でも、かなり作業を楽にしてくれると思うんです。
そういう今までの作業で『無い方が嬉しい』『ツラい』っていう作業に対してすごくインパクトのある技術だと思います。」

 

AIを導入する際に重要なことは「データをどれだけ持っているか」

ーーーなるほど。クリエイティブではない作業をAIが担ってくれると。導入は難しくないんですか?

吉﨑「実はロジックとかを考えるって部分は『ディープラーニング』という技術がやってくれるんですよ。
ただそうなった際に、準備しなきゃいけない部分があって。

ディープラーニングって『勝手にやってくれる。』ってイメージがあるんですけど全くそうじゃなくて。
具体的にはフェーズ1と2に分かれてるんですね。

これを見ながら説明しますね。

実装はそんなに難しくないんです。これが実装するまでにだいたい2時間ぐらいですかね。得意な領域で、テンプレを持ってるっていうのもありますが。

こんな風にリアルタイムで、その場で『この顔がヨシザキですよ。』 『この顔がイマニシですよ。』っていう風に顔を認識してくれるのが機械学習とかディープラーニングの技術だったりするんですけど。

最初からいきなり顔を認識できるわけではなくて。何を準備したかというと、与えるデータを準備してあげる必要があるんですよね。
データを与えてあげて、『この顔がヨシザキだ。』『この顔がイマニシだ。』みたいな規則性は中で自動的にディープラーニングという技術が見つけてくれると。

これを「学習」っていうんですね。
なので、全部教えてあげる必要があります。そして学習が終わって、ガッチリ固まってくると、新しい画像を入れても判断ができるようになるわけですね。この2段階があるんですよ。

よく『AIって全部最初から判定してくれるんでしょ?』みたいに思われがちなんですけど、全くそうじゃなくて。

なのでこの業界にとって大事なことって、『データがいかにあるか』なんですよね。

さっきの『PaintsChainer』などの例も、白黒の画像と、職人さんが塗った画像っていう2つのデータが必要で。
そのフェーズが終わるとプロダクトとして使えるようになる。

今一番大事なこととしては、データをちゃんと持っているかどうか。
これが企業にとって求められて、差別化を図れる要因だったりしますね。

 

ーーーデータをしっかり用意することが大事なんですね。例えばこの顔認識の機能の場合、どれぐらいのデータが必要なんでしょうか?

吉﨑「人数にもよるんですけど。このイマニシとヨシザキで分けるケースであれば、2択の簡単な問題設定なので、10枚ぐらいあれば大丈夫です。今回は20~30枚ぐらいだった気もしますが。

でも白黒からカラーにするとか、そういった複雑な問題設定の場合はもっとたくさんのデータが必要で。

だいたいボーダーとしては、10万とかですね。基本的には。」

 

ーーー桁がすごい…(笑)めちゃくちゃ多いですね。

吉﨑「うん。なのでそこでお金がめっちゃかかるんですよ。さっき、初期投資にお金がかかるって話をしたのはそういうことで。

さっきの『これはヨシザキだ。』『これはイマニシだ。」っていうのを画像に関連づけていくのを『ラベル付け』っていうんですけど。
結局これは手動でやらないといけないので。

だいたい1枚100円ぐらいで外注もできるんですけど。
そうなると1枚100円で10万枚準備するとなれば、1000万円はかかります。データだけで。」

 

規則性を見つけるディープラーニングが、AIにおけるブレイクスルーを起こした

ーーーなるほど、そこにお金がかかってくるんですね…!

そうですね。なので、各社ちゃんと導入しようと頑張ってる会社はそういうところにコストかけてやってます。
その一方で、「AI」って言葉を喧伝しているところもあって。そういうところはそもそもデータを持っていないので、単に「IT」という言葉の代替として「AI」って言葉を使ってますね。

なので、プラットフォームビジネスが一番相性が良くて。
今一番AIとかの導入が進んでるのはGoogleなんですね。GoogleはそもそもAIを使うことを前提に会社を立ち上げているので。
検索エンジンを作りたかったというよりは、人工知能の技術のためのデータ集めがしたかった。

 

例えば、Google翻訳が最近ブレイクスルーを起こしたってことはご存知だと思うんですけど。
日本語と英語の翻訳を今はすごく自然にしてくれて。

ブレイクスルーを起こす前は、人間がノウハウベースで「文章ってこうだよね。」っていうのをプログラムで実装していたんですよ。そういう学問があって。
それを使っていると、実は右下に「この文章は自然ですか?」っていうのが出てくるんですよ。

これに対して「いいえ」と答えると、「ではこの文章を自然な文章に直してください」っていう風にGoogleが言ってくるんですね。
そして日本人が正しく直してくれるわけなんですけど。

そうすると、「この英語にはこの日本語が自然だ」っていうデータが全部とれるわけなんですね。
Googleはそういったデータをずっと取り続けていて。

 

それを使えば、あとはディープラーニングがやってくれて。
「規則性を見つける」っていうのがこれまでは研究されていたんですけど、それはディープラーニングという技術がまるっとやってくれるようになったので。
なのでデータだけを集めていれば本当にブレイクスルーが起きるようになってきている。

ちょっと前まではちゃんと研究して、「規則性の見つけ方にも色々あるよね」、「料理にはそれぞれの調理方法があるでしょ」って感じだったんですけど。
ディープラーニングという技術が流行るようになってきて、個人的にもそういったものは使ったりしてるんですけど、「万能な調理方法」みたいなものになってきてるので。もちろん限界はありますけどね。

なので、各社プラットフォームビジネスを始めようとしていますね。」

 

「それは本当に使えるデータですか?」入力するデータだけでなく、予測したいデータを意識する

ーーーなるほど…データを集めれば、その後の規則性はディープラーニングが見つけてくれると。だいぶ認識が変わりました。

吉﨑「うんうん。普段もこうしたことを伝える活動を割としてますね。
「AIってそもそもこういう風に考えないと始まらないんですよ。」っていう話をしています。

こういう問題って誰も教えてくれないんですよね。
「AIすごい!」みたいなことは色んなメディアが書くんですけど。

なので最近はメディアの方とも協力して「AIって本当はこうだよ」っていうのを話したりしていて。
日経ビッグデータさんとかに取材してもらったりして、「バズってるけどそうでもないよ」みたいなことを話しています。

「とりあえずデータあるんですよ」みたいな人たちには「それは本当に使えるデータですか?」っていうようにいつも聞いたりしていて。
「データの大事さ」であったりとか、「機械学習って実はここが差別化要因ですよ」ってことをお伝えしています。

 

最近とかだと、依頼としてちょっと聞いたんですけど、「文字を書き起こしたい」という話で。
未だに会社とかでミーティングの議事録の書き起こしに1人専属でつけたりをしている状況があって、すごく無駄だと。
それを受けて「『文字を書き起こしたい』っていうニーズがあると思うんですよね。」っていう話を受けて。

ただ現在既に音声入力の技術はあるので、「もう作られてますよ」っていう話なんですけど。
それは問題なんですが、この例で示したいのはそこではなくて。

その会社が言うに、「音声のデータはめちゃくちゃ持ってるんです!これで絶対機械学習で書き起こせると思うんですよね」と。
これ、何が間違っているのかというと、音声のデータはたくさん持ってるんですけど、書き起こしの文字の対応関係を持ってないんですよ。

音声から文字を書き起こしたいのであれば、「その声がどういう文字だったよ。」っていうのを持ってなければいけないんですよね。
「書き起こした文字ってどこにあるんですか?」っていうのを聞くと、「えっ、それはAIがやってくれるんじゃ…」みたいな言葉が返ってきたりするんですけど。
「それは違いますよ、それはフェーズ2の話ですよ」ってことなんです。

この例とか聞いてもらえると、「なるほど、予測するものを意識しないとな」って思ってもらえると思うんですけど。
予測したいデータをちゃんと取れていますかっていうことは大事ですね。

「AIすごい!」みたいに言いますけど、ハッピーになるには結構時間かかりますよって話ですね(笑)」

 

段階別!人工知能の入門書としておすすめの書籍3選

 

『グーグルに学ぶディープラーニング』日経ビッグデータ(編)

ーーー人工知能に関心がある人が、入門書として正しく理解できるような書籍があれば教えて頂きたいです。

吉﨑「はい。そもそも学習の段階として2段階とか3段階あるかなと思っていて。

まず最初が『AIとは何か』っていう正しい認識をすり合わせる段階。数式とかは抜きにして、どういう実例があるのかどうか。
そういう意味で、ビジネスマンに対しては、一番いい本がこちらですかね。

グーグルに学ぶディープラーニング
日経BP社
売り上げランキング: 4,404

『どういう事例が日本にあるの?』『機械学習、ディープラーニングってなんなの?』っていうのを、数学を全く使わずに事例で紹介してくれています。

自分の言いたいことが1冊にまとまっていて、『良い本だな』と思ったのを覚えていますね。
実際にこれを紹介するとみんな『良い本でした』って言っているので。
あまりGoogleは関係なくて。例えば最初とかは『機械学習、ディープラーニング、人工知能って何が違うの?』とかから入ってると思うんですけど。

その本が、ディープラーニングとか初めての人にとっては良いかなと思っています。位置づけをそもそも理解する。どういう風にビジネスに使っていくかを理解する。
ビジネスマンにとってはもうそれぐらいでも良いかなと思っていて。

 

あと、文系の学生で『勉強したいんですけど』ってなると、まず一番最初にこれだけは読んでおいた方が良いよという感じですね。
まずどういう事例で使えそうかっていうのをしっかり知っておくべきで。

一番あるのが、『AI学びたい』というモチベーションの人。これが一番危ないです。
それはそれで、自分の付加価値を高めてくれるっていうのを認識していていいとは思うんですけど。

ただ、『どう使っていくか』っていう問いに答えられないといけなくて。結局AIって何に使っていくかが大事なので。
『良く分からないけどAI身に付けとけばとりあえず何とかなる』っていうのは危険ということです。
ちゃんと
『ビジネスにおいてどういうインパクトがあるのか』
『どこに使えそうか』
を知っておく。そのためにこの一冊はおすすめですね。

『ITエンジニアのための機械学習理論入門』中井 悦司

ーーーまず「何に役立つ技術なのか」を正しく理解する必要があるということなんですね。

吉﨑「そうですね。で、そのあとじゃあ、『この技術を学んでエンジニアの方に行きたい』とか、『数学とプログラミングを勉強して実装できるようになりたい』っていう人にとっては、また別の本が必要になってきます。
色んな本があるんですけど、先ほどの本の次のフェーズということであれば、この本とかがおすすめです。」

ITエンジニアのための機械学習理論入門
中井 悦司
技術評論社
売り上げランキング: 27,486

ーーー(中身を読みながら)数学ですね…(笑)

吉崎「そうですね(笑)やっぱり数学なんですよ。この業界は。『数学いらない!』っていう人もいるんですけど。

数学は、いらないわけではなくて。例えば、英語がある程度出来ないと英語圏の人としゃべれないじゃないですか。
機械学習においても、共通のツールとして数学が必要なんですよ。

別に数学の数式をガッツリ理解しろってわけじゃないんですけど。言ってみれば、英語を話すために英単語の意味を覚えてねって感じなんです。
厳密な数学がいるかっていうと『NO』だとは思うんですけどね。

数学が完全にいらないっていうのは無責任だなと思ってます。
その状態ではそもそも本から学ぶことが出来ないので。」

 

【補足】上記2冊の橋渡しをするオンライン講座がUdemyにて配信中です

吉﨑「先ほど述べたように『ある程度必要だよ』と言っても、やっぱり本を開くと『うわっ』って思うじゃないですか(笑)
なので、うちのコンセプトはまさに『参考書を閉じてしまった方が来てください』ってことでやってます。

ということでうちのセミナーがおすすめなんですが…結構高いので(笑)
なので、最近Udemyでオンラインのコースを出したんですよ。

実は、Udemyの80%OFFになるクーポンがあって。これを使ってぜひ、受けたい方は勉強してみてください。
ただ、Udemyはたまにものすごく安いセールをしていたりするので、そっちの方が安いときもあるんですけど、このクーポンを使うと安定して安い値段で受けられます。

うちの講座は、先ほど紹介した2冊の間の橋渡しをする役割になっていて。
出ている本だと、ビジネス寄りの本か、数学、プログラミング寄りの実践編みたいな本のどっちかなので、ちょうどこの間の橋渡しが上手くいってない部分があるんですよね。
そこをつなぐ部分をうちの講座ではやっています。

まずはいきなり本を読んで勉強するのではなく、こうした動画とかで勉強するのがおすすめです。」

『「ディープ・ラーニング」ガイドブック―基礎知識から、環境構築、ライブラリの活用法まで!』I O編集部

吉﨑「あと、もう1冊だけ。機械学習って、環境構築が大変だったりするんですよ。要はプログラムが動くまでの準備なんですけど。
そういった部分を詳しく書いているのがこの本ですね。

最初の4章ぐらいまでで、環境構築の仕方を説明しています。その部分はぼくが書いてます(笑)

環境構築の仕方っていうのも1つのつまづきポイントだったりするんですよ。『勉強しました。数学分かりました』となって、いざプログラミングの勉強したいけど、その前段階でつまづいてパタン…みたいな。
うちの授業ではすごくたくさんの人に教えたりするので、その分みんなのPCの環境が違っていたりして。
それにうまく対処するために色んな環境をみながら進めてきました。そうした部分をまとめています。おすすめです!

そんな感じで、色々と落とし穴があるんですよ。課題設定がちゃんと出来ていないとダメ。どういう風に使えるかを知っていないとダメ。数学知っていないとダメ。プログラミングを知っていないとダメ。プログラムを組むための環境を構築していないとダメ、みたいな。」

ーーーなるほど…複合的な領域なんですね。

人工知能は人間の仕事を「作業8割、本質2割」から「作業2割、本質8割」の世界へ変える

ーーー本日はありがとうございました!最後に、人工知能はこれからの日本をどう変えていくのか、考えをお聞かせ願えますでしょうか。

吉崎「これからまさに日本って少子高齢化によって、人が少なくなっていきますよね。
『AIが人の仕事を奪う』みたいなことがよく言われたりするじゃないですか。でも実際はそうじゃなくて。

むしろ日本に限って言えば、人が足りてないので。人工知能っていうのは奪うわけじゃなくて、補う存在なんですよね。
なので人工知能の産業は少子高齢化に対する凄く良いアプローチだと思っていて。

人が減っていってしまうかもしれないんですけど労働力は一定に保つ。今の生活を維持するとか、産業の発展を維持したいけどリソースが足りないと言う問題に対して人工知能はとても良い存在なんです。

今の人間の仕事って『作業8割、本質2割』って言われたりするんですよ。『実際これ誰でもできるよね』みたいなことに8割の時間を割いている。
この状況に対して、AIを使ってあげると最終的には『作業2割、本質8割』ってところまで持っていけると思っていて。

そうなってくると、人間が人間らしくその人にしかできないことにフォーカスを当てることが出来るじゃないですか。すると産業の発展って全然停滞しないんですよね。
結局人間ってオペレーションが大事なわけじゃなくて、そのアイデアを具現化するということが大事だったりするので。

なのでぼくの中では、AIによって今まで通り産業の発展がどんどん進んでいき、しかも途中のオペレーションはAIが代わってくれて、サポート業務はAIが全部やってくれる。そんな素晴らしい未来があるのではないかなと思っていますね。
何かプロダクトとして変えるわけじゃないんですけど、『作業8割本質2割の世界を、作業2割本質8割の世界に変えてくれる』のではないかなと思っています。」

 

おわりに

今回は、人工知能産業のリアルな部分について、AIに関連した教育、コンサルティングなどを行うスタートアップ企業「キカガク」の社長、吉﨑さんにお話を伺いました。
世間が持つ華やかなイメージとは裏腹に、技術自体は決して派手なものではなかったり、導入には巨額のコストがかかるなど大変な部分が多いんですね。
また学習に関しても、人工知能や機械学習において必要な知識や考え方を正しく理解しておらず、挫折してしまう人が多そうです。

こうした部分はなかなかメディアでは紹介されません。
ですので、適切な対処を取ることができない企業や、どうやって技術を学べばいいかを悩んでしまう学生などが多いというのが現状。
ただ、人工知能がぼくたちの働き方をより効率的で人間らしいものへと変えてくれるポジティブな側面も間違いなく強調されるべきでしょう。

技術としての特性や問題点を正しく把握した上で、適切に導入していくような動きが活発化していけば、吉﨑さんがおっしゃるように、作業8割本質2割の世界から、作業2割本質8割の世界に変わっていくのではないでしょうか。株式会社キカガクさんが行っているような活動がそうした社会の変化を後押ししてくれる追い風になると思います。

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やまりょう

1996年12月6日生まれ。本名は山口遼大(ヤマグチリョウタ)。 埼玉大学経済学部に所属する大学3年生で、2017年10月~2018年10月まで休学中。 “新しい時代の生き方を考える”をテーマとした個人ブログ「Ad-Libi」を運営し、「好きを仕事にする」ことに対するハードルを下げるための情報を発信。起業家やフリーランスのリアルに迫る取材活動を行う。また、ライターとして外部メディアでの記事執筆も担当している。

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